U.国内家具市場の動向と飛騨地域の脚物家具の現状

U−1.国内家具市場の景況動向

(1)内需の動き (2)輸出入の動きと特徴
(3)家具内需の決定要因 以上のようなマクロの家具市場の動きを踏まえ、次に飛騨地域で製造される家具製品についての分析を行う。
U−2.飛騨地域における脚物家具製造業の現状

(1)高山市の家具装備品製造業の出荷額推移 (2)家具製造業の規模
U−3.飛騨の家具を含む岐阜県の脚物家具の全国的地位

 飛騨地域のみのデータが公表されていないため、岐阜県の脚物家具出荷額の全国シェアを見ると、愛知県についで2番目であり、81年以降、10%〜12%を維持している。
 愛知県については、他産地の家具メーカーとは比較にならない全国規模の大メーカーがあり、高いシェアに貢献していると考えられる。なお、広島県の92年以降のシェア拡大が目立つが、かなり厳しい状況で生産・販売を行っていると現地関係者は言っており、シェア拡大の原因は定かでない。

(図9) 脚物家具各県シェア

U−4.飛騨の家具のグレード・テイストマップ

 飛騨の家具について、家具小売店の評価(表7)を基に、品質=グレード感とデザインの傾向=テイスト感という家具製品の分類手法を用いて特徴を判断すると、次頁の図10のように位置づけられる。
 テイスト(デザイン)的には、飛騨の各メーカーごとに特徴があり、北欧的モダン調やカントリータイプなどを追求するなど様々であるため、テイスト傾向の面では全てを包括し、マップ上は中央に位置させている。
 一方、グレード的には高級品を主に扱う百貨店でも高い評価を得ており、特に消費者の「憧れの的」であるとの感想を考慮すると、ベターゾーンの上段に位置する高級家具と判断できよう。
 このような飛騨の家具に対するイメージを大切にしたブランド戦略・販売戦略を採ることが必要であろう。

(図10) 家具のグレード・テイストマップ

(表7) 岐阜県産業経済研究センターによる家具小売販売店実地調査結果


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