中小企業診断士 松久庸安
順位 | 内 容 | 人数(%) | 備考 |
---|---|---|---|
(1) |
写真を撮りたいと思った時、直ぐ撮りたい。 (例え、カメラを持って行かなくても) |
約50% | 潜在顧客ニ−ズ |
(2) |
操作が難しい。もっと簡単に出来ないか。 (オ−トフォ−カスカメラでも、フイルム交 換や条件設定が難しい) |
約40% | 潜在顧客ニ−ズ |
(3) | 私でも人並みにキレイに撮りたい。 | 約30% | 顕在顧客ニ−ズ |
(4) | 気楽に買えるほど価格が安い。 | 約30% | 潜在顧客ニ−ズ |
(5) | 携帯に便利(ハンドバックに入る) | 約20% | 顕在顧客ニ−ズ |
◎ | (イ)カメラを忘れてきた | 60% |
(ロ)試しに試用 | 59% | |
(ハ)珍しいので | 18% | |
◎ | (ニ)誰でも使用出来るので | 15% |
(ホ)カメラを持っていない | 8% | |
(ヘ)子供用として | 6% | |
(ト)他人が使用していたので | 3% | |
合 計 | 169% |
◎ | (イ)良く写ったので | 54% |
◎ | (ロ)カメラを忘れてきたので | 45% |
◎ | (ハ)軽いので | 42% |
◎ | (ニ)操作が簡単なので | 34% |
◎ | (ホ)安いので | 23% |
(ヘ)今持っているカメラを 使いたくないので | 11% | |
◎ | (ト)誰でも使用出来るので | 10% |
合 計 | 219% |
■ | 手頃な価格 |
商品企画段階では、コストから試算して販売価格は2000円が必要であったが、営業部門の意見で購入しやすい1000円に決まり、赤字でスタートし、その後コストダウンで黒字化した。 | |
■ | 一般ユーザーを充分満足させる品質 |
どんな人が使っても、通常の撮影条件で撮影し普通のサイズの写真とする場合には、高級カメラと変わらない画質が得られるようにカメラ設計段階で十分配慮した。 初心者が高級カメラを使うとよく起きる撮影条件の設定ミスや手ぶれがない点、かえって「写ルンです」の方がそれなりの品質の写真が確実に撮れる。 | |
■ | 販売チャンネルの整備 |
旅行・レジャー先での入手を容易にするため、既存チャンネルに加えてCVS・駅の売店・観光地の売店・自動販売機等の新チャンネルを整備した。 | |
■ | ブームを逃さぬ矢継ぎ早な新製品投入と販促活動 |
最初の製品の爆発的な売れ行きに慢心することなく、引き続き強力に顧客ニーズを探索し、これに基づく新製品を次々開発して市場に投入しブームの一層の拡大を計った。開発後六年間で商品数は30を超えた。 | |
■ | 完璧なリサイクル体制作り(環境問題の先取り) |
発売開始二年目頃から使用済みカメラが産業廃棄物として社会問題化の兆しが出た為、全社挙げて対策に取り組み、二年後にはカメラ設計や生産設備の抜本的改革により完全なリユース+リサイクル体制を整え、100%リサイクルを実施している。(環境庁からリサイクル模範工場に指定され、見学者が絶えない) | |
■ | 先行開発のメリットを最大限とするための事業戦略 |
先行開発の優位性を活用して、ブーム持続のため同業他社の参入を拒まず、かえってJISの商品規格作りやリサイクル体制作り等で業界の一致協力を推進すると共に、他方では差別化商品の先行開発で同業他社に対する優位性を維持した。 | |
■ | ユーザー・ディーラー・メーカーにメリット有る商品 |
この商品はユーザーにとっては新しい機能を持った魅力ある商品であると共に値崩れが少ない為ディーラーにとっては確実にマージンの取れる有利な商品であり、又メーカーにとっては利益を確保が出来る有望な商品であった為、皆がこの商品の拡販に努力した。 | |
■ | 経済成長による生活水準の向上(レジャーブーム・使い捨ての風土等) |
生活水準の向上や生活習慣の変化が、従来方式よりはコストの掛かるこの商品のブーム化の大きな要因の1つであったと考えられる。 |
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