プレス発表資料

平成16年5月24日
(財)岐阜県産業経済振興センター

家具産業におけるコミュニケーション戦略の研究」結果について

□調査研究の趣旨
・ 平成14年度調査では、飛騨地域で生産された家具は素材面、技術面で高い評価がある一方で、一般消費者にはその価値が理解されにくく、機能面、流通・販売面では弱みがあることが指摘された。
・ こうした状況を踏まえて、本調査研究では飛騨地域家具産業の消費者に対するコミュニケーション戦略のあり方について調査研究し、飛騨地域家具産業の今後の発展に資することを目的とした。

□調査研究結果のポイント
・ 飛騨家具は技術面や素材の良さで優位性を持ち、流通関係などからは高い評価を受けているが、一般消費者特に若い女性には、その価値が理解されにくく、流通・販売において価格競争におちいる状態にあると考えられる。
・ そこで、一般消費者に飛騨家具の価値を理解させるためには、まず設計事務所や建築家のような本物を見極める力に秀でている「イノベーター」に対して、飛騨家具の製品思想を認めさせることが重要である。
・ 高価な飛騨家具が消費者を引きつけるためには、モノ以外のソフトの部分で差別化し、ブランドとしての優位性を確立することが必要である。
・ ブランドとして最も重要な要素は“夢”である。
・ 飛騨家具産地は、ブランドとしてあらゆる人々を引きつける“夢”を作ることが必要である。そのためには、「イノベーター」と日々直接交流することが必要である。
・ 具体的な手法として、@設計事務所や建築家からの受注、AWebページによる情報発信、B流行の中心地と呼ばれる場所での直営ショップの運営、Cデザイン誌やインテリア雑誌の活用 などがあげられる。

□担当者コメント
・ 飛騨家具産地が発信している「高品質・高級感」「日本の美・飛騨デザイン」というメッセージは、“夢”としての価値があると思われるが、消費者にとっての“夢”として十分理解されるまでには至っていないと考えられる。
・ 飛騨家具産地は、若手デザイナーが集まりデザインを展示する「東京デザイナーズブロック」のような催しやコンテストを開催し、“夢”を実現するために妥協することなく取り組むことが重要であると考えられる。

【問い合わせ先】
(財)岐阜県産業経済振興センター 企画研究部 長井哲也
TEL : 058-277-1082 FAX : 058-277-1095 E-mail : nagai@gpc.pref.gifu.jp

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