97年 4〜6月期実績 7〜9月期見通し


 

■■県内景況■■■
・消費税関連での落ち込みをしのぎ、足踏み状態を維持
・来期に向かい再び回復の期待感を強める

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 岐阜県産業経済研究センターは県内中小企業を対象に「97年4〜6月期実績見込み、及び7〜9月期見通し調査」を6月上旬に実施した。以下はその結果である。

 

概 況

 今期は、消費税率引き上げ後の景気動向実績として注目されたが、県内景況は前回見通しまでの落ち込みには至らず、ほぼ前期並との判断が見られた。売上、生産などかけ込みの反動が局部的な影響に留まり、全体として極端な減少とはならなかった。

 来期見通しへ向けても更なる落ち込みは少ないと見られることから回復への期待感を取り戻している。要因として、ある程度の消費税関連のかけ込み需要の反動が覚悟されていたことや為替の円安傾向、決算公表に見る大手企業の業績回復ぶりと株価上昇なども、業況厳しい中にも中小企業経営者の意識に安堵感が出ているのではないか。しかし、今後、製品価格の下落傾向の落ち着きの反面、原材料仕入価格の上昇などが見越され採算面は依然厳しいため、このまま回復に向けて上昇できるかどうかはまだ不透明である。県内企業の設備投資の動向は少し上向き見通しが出ているが、夏以降の一般消費の動向と併せて回復局面のカギである。

 

項目別動向

  1. 景況
     今期4〜6月期の景況DIはマイナス26.8で、前期比1.3ポイントだけわずかながら上昇した。内訳では製造業でマイナス21.6(前期 マイナス17.5)、非製造業がマイナス36.7(前期マイナス52.0)であった。先回調査の4〜6月期見通しでDI値マイナス41.2と消費税率引上げなどの影響が懸念された中、大きな落ち込みには至らず。また来期7〜9月期ではDI値マイナス10.0(製造業マイナス 15.4、非製造業0.0)まで持ち直す見通しである。消費税の影響が予想範囲内での動きに落ち着いたとする意識の現れとみられる。

  2. 売上高
    今期は「増加」が38.5%、「減少」41.7%で、一部業種では駆け込み需要の反動減もあったが、売上高DIはマイナス3.2とほぼ前期と変わらず。内訳は、製造業でプラス8.3、非製造業でマイナス26.6であった。来期見通しではDI値2.2(製造業プラス3.4、非製造業0.0)のプラスに転じ、多少の回復気配を見せている。
     輸出向けでも円安傾向の効果から、やや増加見込みが見られている。

  3. 生産量
     4〜6月のDIはプラス12.1。7〜9月見通しのDIはプラス7.7で、全体として生産動向は今後も堅調な推移が予想される。

  4. 受注高
     4〜6月のDIが4.6、7〜9月が3.5とプラスを維持する見通しである。建設業では今期DIがプラス28.6に対し来期見通しはマイナス14.3へ後退。

  5. 価格
     製品価格は、「下降」とみる割合が徐々に減少してきている。一方、原材料仕入価格は、輸入原材料高などを要因として、「上昇」気配を強めている。

  6. 採算
     「悪化」とみる企業割合が依然強く、売上、生産などの回復傾向に拘わらず、経営採算の厳しさが示されている。

  7. 資金繰り
     資金繰りは「変わらず」が7割強の大多数を占める中、「悪化」割合が「好転」割合をやや上回る状況で推移。借り入れ難易感は「変わらず」が大多数(7割強)で「容易」の割合と「困難」の割合が拮抗している。

  8. 設備投資
     設備投資意欲は、機械系、プラスチック系、商業系で一部上昇気配が見られるものの、全体としてはまだ弱い。設備実施は引き続き4割ほどの企業で実施されている状況。

  9. 雇用状況
     「変わらず」とみる割合が多いが、ここのところ「不足」割合が「過剰」を上回る状態が続いている。

 

業種別動向(業種名の横は7〜9月期景況見通し)

繊維 横ばい
 売上、受注とも今期(4〜6月期)は、前年比やや増加、来期(7〜9月期)の見通しは、ともに強含み。
 消費税の引き上げによる消費動向への影響が懸念されたが、受注、生産量とも大きな落ち込みには至らず。一部要因として業者間での淘汰の進展が背景にあり、必ずしも好況感にはつながらず、依然厳しい状況が続く見方が大勢である。

衣服 横ばい
 売上は、今期、来期見通しともに横ばい、受注は、今期、来期見通しともに強含み。
 とくに今期は売上、生産など好不調の二極分化傾向が顕著に現れ、合理化、リストラ等の努力による企業間格差が指摘されている。
 見通し的には、全体として改善方向には見られるが、採算面厳しく好況感はない。

金属製品 横ばい
 売上、受注とも今期横ばい、来期見通しは売上強含み、受注横ばい。
 各項目とも比較的横ばい傾向の強い結果が出ている。見通しにやや上向き感が感じられ、為替円安面の効果として輸出の回復などが見られる。

機械 横ばい
 売上は、今期、来期見通しともに横ばい、受注は、今期強含み、来期見通し横ばい。
 大手業界の好調さに裏打ちされ、堅調な推移を示してきたが、来期見通しに良悪の分化が見られ、受注条件の厳しさなど業者間での競争激化が現れている。

陶磁器・タイル 横ばい
 売上、受注ともに今期は横ばい、来期見通しはやや減少。
 陶磁器業界は需要低迷が根強く、今期わずかに受注上向きのところも見られたが、浮上の域には届かず、見通し不調。タイルでも売上、受注面とりあえず確保あるも、採算的に折り合わず厳しさが増している。

木材・木工 やや悪化
 売上は、今期強含み、来期見通し弱含み、受注は、今期横ばい、来期見通しは弱含み。
 製材、合板では、かけ込み需要の反動減の一方、期を越した住宅施工などにより今期の大幅減には至らなかった。ただ、先行き不安は拭えず、家具をはじめ木工関連全般に不況感強く、景況見通しを悪くしている。

食品 やや悪化
 売上、受注ともに、今期は弱含み、来期見通しは横ばい。
 食品関係も消費税率引上げ前の買い置きや消費者の節約現象から、四月以降今期の業況に影響が出た。来期は持ち直しを見込むが、景況感の回復は見られていない。

プラスチック 横ばい
 売上、受注とも、今期、来期見通しともに強含み。
 引き続き機械器具部品関係を中心に好調業種と見られる。問題は、原材料高、原価高をどうクリアするかが課題となっている。

印刷/紙 横ばい
 売上は、今期、来期見通しともに横ばい。受注は、今期強含み、来期見通し横ばい。
 家庭紙も印刷も比較的安定推移が続いており、今後の見通しも堅調と見られる。

建設 横ばい
 売上は、今期、来期見通しともに横ばい、受注は、今期強含み、来期見通しは横ばい。
 今期、消費税がらみのかけ込み反動がさほど大きく現れず。継続工事や少量の追加工事などによる需要が残ったとみられる。先行き景況感では幾分悪化見通しが和らいでいる。

商業 横ばい
 売上は、今期弱含み、来期見通しは強含み、客数は、今期弱含み、来期見通しは横ばい。
 今期は、カメラ・ビデオ、その他家電、時計・貴金属など値がさ商品の分野で売上、客数の減少を見せ、文字通り消費税アップの影響とかけ込みの反動減を示した。一方、家庭用品、スーパー、小売店などではやや増加の動向が見られ、全体としても来期の見通しには、幾分回復の兆しを見ることが出来る。

サービス 横ばい
 売上は、今期やや減少、来期見通し弱含み、客数は、今期、来期見通しともに弱含み。
 生活必需品の範疇でない業種だけに消費税関連の影響が大きく出たと言える。売上減少の度合いは徐々に緩む見通しもあるが、特にレジャー関連産業は来期も低迷ムードが強い。