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■技術力を活かした製品開発に力を注ぐ 岐セン(岐阜市本荘) |
創業は、昭和18(1943)年、岐阜県内の11の染色業者が合併してできた「岐阜県整染株式会社」に遡ることができる。
岐センは合繊を主体とした織物の染色を行っており、現在は本社と3工場体制となっている。工場は、岐阜、穂積、笠松の3カ所にあり、主に岐阜工場はポリエステルと混紡の短繊維を、穂積工場はポリエステル100%でアウトウェアの表地を、笠松工場は綿の裏地と輸出品メーカーから委託された中近東の民族衣装を扱っている。岐センでは、この3工場でテキスタイルの表地・裏地すべてに対応できる体制を採っている。
岐センの加工技術には定評があり、昭和30年代後半から昭和40年初めまでポリエステルレーヨンの技術加工で世界を席巻し、通産省から輸出貢献企業として認定を受けたこともある。また、タイ・台湾・エルサルバドル・インドネシアの東レの合弁会社に技術参画したり、海外からの技術者研修の受入も行ってきた。
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「当社は新しい糸や織物の開発について提案は行うが、あくまで注元の原料を加工する委託染色業」と森本常務は謙遜する。
しかし、衣服にとって色彩はとても重要な要素。新たな色彩を作り出すためには染色技術が果たす役割は極めて大きい。そのために岐センでは新しい加工技術の開発に力を注いでいるという。このことについて、森本常務は「岐センで主として扱っている商品は、婦人物の中〜高級分野で中〜厚地のもの。婦人物は商品サイクルが短く、次から次へと新しいものを作らないといけないから、新しい技術開発に力を入れざるを得ない。ただ、中〜高級分野の製品だけでなく、国内でやってメリットのある定番的商品にも活かしていかさなくてはいけない。輸入物に押されがちであるが、国内でも品質やデリバリーがしっかりしていれば、まだまだ残る分野はあるからだ。」という。
なお、岐センでは、感性商品(例:ソフトで反発感のある加工)で40種類、機能性商品(例:耐久撥水加工技術)で40種類と、加工技術に数多くのブランドを有している。これらは、アパレルメーカーからの要望や営業開発部等からのシーズを反映してのものである。
今後の方向性について森本常務は「これからは染色業だけでなく、コンバーターとして自ら企画し、染めて売るという部分を少しずつ増やしていきたい。ただ、このことは非常にリスキーで、市場のことを良く知らないとできない。現段階としては、メーカーでは企画、販売の人材が不足しているので、メーカーの手足となって働く加工コンバーターとして、足下をしっかり固めながらクイックで、リーズナブルな商品づくりを行っていきたい。また、今までは川上を見て仕事をしていたが、これからの時代は、より川下の、つまり市場に近いところを見ながら進めていかないといけない。」と抱負を語った。
その他、新たな事業展開を探るために「最近、“新事業開発推進室”を設置した。まだ具体的には言えないが、自社内での研究開発や異業種交流、大学などの研究機関との共同研究を行うことによりシーズとなるものを探し、染色以外の新しい芽を育てていきたい。」と語り、今後の岐センの活動に注目される。