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■ハードを売るためにソフト開発ソフトを充実させハードを売る
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「連鎖」という言葉があるが、八尋産業(やひろ/1977年設立)の発展は、ソフトとハード、アイデアと成功、異業種間との実に見事な「連鎖」によって実現してきた。
最初に椎茸との出会いがあった。サラリーマンを辞め自らの会社を興した大矢正昭社長は、チッソガスによる椎茸の冬眠保存法(米国特許)を開発した。チッソの割合を95%まで高めた冷蔵庫内に椎茸を入れると冬眠状態になる。その状態で保存することで鮮度が落ちず、出荷調整ができるようになった。
大矢氏と椎茸との「連鎖」はさらに深まる。椎茸栽培の実状をみて、栽培体系や流通体系の時代遅れを実感。これを何とかしなければと考え、椎茸栽培施設に温水式ボイラーによる床暖房方式を開発し、取り入れた。ボイラーは、椎茸栽培に使った廃材となるほた木を燃す。燃料費はただ。リサイクル、省エネ、さらには殺菌対策にもなる。
次は、ほた木からモロヘイヤにつながる。当時スーパーマーケットの台頭で豆腐が大量につくられるようになった。できる豆腐の5倍量のおからが産業廃棄物である。米作農家ではカントリーエレベーターにより大量のもみがらが出た。そこに大矢氏は注目し、おからともみがらで人工ほた木を開発。栄養価が高いうえに品質が安定しているために、松茸のような椎茸が採れた。そこで大矢氏は「サラダ風椎茸」を発案。廃ほた木は有機物であるために田んぼの肥料(岐阜県の特殊肥料の資格を得る)として農家に無償で提供。ところが農家では、当時の減反政策で田んぼの転作作物に困っていた。「よし、それなら新しい作物を何か」と、田んぼに廃ほた木を入れ栄養価に優れたモロヘイヤの栽培を始めた。が、通年栽培はできないために1年中いつでも供給する方法はないかと思案し、減圧平衡発熱乾燥機という画期的なハードを作り出した。モロヘイヤを初め野菜を粉末にして保存する機器とシステムである。ここからは粉末野菜を原料にしたふりかけ(ふりかけん菜)やドリンクなど多くの県産品が生まれた。
大矢氏自身も予想がつかない「連鎖」は、さらに松茸につながり、殺菌対策として創業まもなく開発したオゾン発生装置へと結びつく。この装置は、業務用冷蔵庫の殺菌・鮮度保存ができ、病原性大腸菌O157問題でやっと市場が開けてきた。
「私は技術屋です。しかし、ハードを開発し、機器を製造販売するためには、その機器を使ってできる商品を作った方が企業としては永続性があるとみたわけで、今後も両方をやっていきます。」
会社設立から20年が通過した。人脈という財産ができた。今後は、そろそろ営業面での「連鎖」にも力を入れていく方針である。