平成11年３月31日
岐阜県産業経済研究センター

第１回岐阜県産業構造研究会議事録ポイント

１	日　時	平成11年３月30日 (火) 17:00〜19:00
２	場　所	岐阜県県民ふれあい会館４Ｆ　409特別会議室
３	出席者	下野利昭座長､ 牛込伸隆委員､ 遠藤宏治委員､ 加藤典孝委員､ 児玉栄一委員､ 後藤一俊委員､ 小西豊委員､ 清水紀彦委員､ 杉野直樹委員､ 杉本眞委員､ 田口義隆委員､ 中川一雄委員､ 西田俊一委員､ 野尻修二委員､ 松久豊太郎委員､ 三井栄委員､ 和井田俶生委員､ 岡本太右衛門顧問､ 五島昭寿顧問､ 多賀潤一郎顧問　　以上20名
４	議　題	(１) 岐阜県産業構造研究会の進め方 (２) ｢基本的考え方｣ 論点メモ (未定稿) (３) 岐阜県産業構造の現状と課題
５	議事要旨

事務局から議題 (１) (２) (３) について概要説明の後､ 意見交換を行った｡ その概要は次のとおりである｡

○研究会の進め方について

• 説明のあった｢基本的考え方｣論点メモが最終的な成果のイメージであるとすれば､ もうそれなりに形ができており､ これを事務局側で肉付けしていけば､ それでよいのではないか｡ 総論でなく､ 方法論を論ずることが主眼にならないと企業経営者の参画する役割が見えてこない｡
• ｢基本的考え方｣論点メモは一つの素材の提供にすぎず､ 多様な議論を通じて最終的には変わった形になっているのが望ましいと言えよう (事務局)｡
• いきなり大上段に振りかざした議論でなく､ まずは身近なところから､ ミクロの話題から議論をし､ 最終的にマクロの方向に展開していく手法も考えられるのではないか｡
• 各委員の現状の体験談等を伺うのが良いのではないか､ それにより岐阜県の課題が浮かび上がるのではないかと思う｡
• 最初は一つ一つの事例を取り上げ､ それを一つの考え方で編集し総合化してビジョンを描いてみるのがこの研究会の役割である｡ 個別の事例を取り上げ､ それを一般化することが次の時代を描くことになるだろう｡ そのためにも新しい事例がたくさんあることが議論を有益に進められる鍵と考えている (事務局)｡
• 岐阜に９年住んでいるが県の産業ビジョンといったコンセプチュアルなものには余り関心がない｡ 例えば､ われわれの住む岐阜の地域をこういう風に変えていきたいという夢のある話とか､ 当社ではＩＴＳに取り組んでいるので､ こうした具体的なプロジェクトの話ならば岐阜の企業が参加する可能性もあり､ 結果として産業構造に影響のある話ということになろう｡ 　
• 産官学の関係者が一堂に会して議論することになるので､ それぞれの役割分担を明確にして望むべきである｡
• 大学関係者としては､ 地域経済とか､ 岐阜県全体の問題でないとは参加しづらい｡ 個別的､ 具体的なミクロの問題を議論するということになれば､ 経済を専門とする私には荷が重い｡ 経営学の専門家が加わった方がいいと思う｡ いずれにしろ､ この研究会の目的をはっきりさせていただかなくては､ 役に立てず前に進めない｡
• いろんな主体が岐阜県経済のビジョンを討議することに意義がある｡ 県から指示を受けたわけではなく､ 県の意向から全く独立した研究会として進めて行きたい (事務局)｡

• 提出資料では不況感が良く描かれているが､ 体感的には決して不況と感じていない｡ というのは百貨店の売上数は落ちていない｡ 単価の下落が売上額に影響しているだけである｡ 製造業では設備の過剰感が残っているが､ 不況というほどではないと見ている｡
• 岐阜県産業における第１次産業の地盤沈下についてよくわかった｡ これに関連した具体的な話としては､ 現在､ 情報産業のノウハウを導入したトマト栽培事業を計画している｡ このように第１次産業と第３次産業との区分けがしづらくなっているのではないか｡ 　
• 岐阜県製造業の総体として生産性が低いことが示された｡ それがどういう要因によるものか､ 構造的な問題を解明していくことが必要である｡ 日頃､ 感じるのは県内の企業数は多いが全体としてパワーになっていないということである｡
• アメリカ流のグローバルスタンダードに追随していくことが地域経済にとって有効であるかどうか､ といった基本的な議論をする必要がある｡
• 岐阜県７大地場産業のうち最も小さな規模の紙業界に所属している｡ この業界は現在､ 大手数社に集約されていく傾向にある｡ 千三百年続いた産業であり､ 県内に業界自体は残っていくであろうが､ 各企業がどういう形で生き残っていくのかが課題と思っている｡

以　上