企 業 紹 介
 
地球規模で環境を考え、地球を汚さない環境技術を追求

 

アイン・エンジニアリング(株)、アイン(株)総合研究所

 

  「21世紀を目前にした今、 社会・産業のあり方や、 人間の生き方が問われています。 当社は、 森林・水・空気という、 人間にとって最も大切なものを再生し、 地球環境を守るため、 持てる力の全てを注いできました。」 そう熱っぽく語るのは代表取締役の西堀貞夫氏である。 これまでの同社の歩みは決して平坦なものではなかった。 今でこそ、 「環境」 に対する関心が高まりをみせているが、 同社の代表的な製品である 「スーパーウッド」 の開発を始めた頃は、 全く理解が得られなかったという。 金融機関から融資を引き上げられそうになる等、 幾多の困難を乗り越え、 今や自他ともに認めるトップ企業へと成長した。

森を守る・ 「木」 を創る

 かつて合板メーカーに勤務していた西堀氏は、 熱帯雨林の乱伐を目の当たりにし、 このままでは地球は壊れてしまうとの問題意識を持つに至る。 原生林を守るため 「木」 を作りたいとの強い思いは、 やがて廃木材と廃プラスチックから生まれた 「スーパーウッド」 として結実する。 これは曲げ強度、 剛性等の面で自然木を超え、 アルミ並の寸法精度を持つという。 更に、 天然木の感触・風合も併せ持ち、 水にも強く腐らないという。 熱可塑性素材のため、 リサイクルも可能である。

水を守る

 年間19万トンともいわれる園芸用廃プラスチック等を洗浄するのは、 乾式清浄装置 「クリーニング・セパレーター」 である。 臭いや油分の除去ができず、 排水処理が問題になる水洗浄とは異なり、 環境への負荷をかけずに、 効率よく洗浄できるという。 洗浄したプラスチックは、 微紛化された木紛と混合・溶融され、 「スーパーウッド」 の原料となる顆粒状ペレットにもなる。
 また、 再生プラスチックから作った網状構造ブロックにバクテリアを住まわせ、 「よし」 を育てることにより水質浄化をはかるシステムも開発した。

空気を守る

 空気を守るには、 まず、 「燃やさない」 こと。 化石燃料や廃プラスチックの焼却は、 CO2やダイオキシンを増加させ、 地球温暖化や酸性雨を引き起こす。 サーマルリサイクルではなく、 マテリアルリサイクルを。 そのためには 「用途」 の開発が重要となる。
 シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド、 環境ホルモンであるダイオキシン、 自動車の排ガスに含まれるNOx・SOx等の有害物質を和紙の自然呼吸作用により吸着し、 光触媒効果により無害化する 「光触媒和紙」 を読売新聞社、 リーテックと共同開発。 壁紙、 障子紙・ふすま紙としての利用が考えられている。 カレンダーのような形で手軽に壁に貼ることもでき、 古紙のリサイクルにも貢献。 老人ホームや病院等からも 「風邪をひきにくくなった」 とか 「短時間で悪臭が緩和される」 といった喜びの声が寄せられているという。

再商品化技術が重要

  「循環型社会を成功させるには、 単なるリサイクルではなく、 再商品化技術が重要 (西堀社長)」 だという。 ゴミからゴミを作っても仕方がない。 本物を追求し、 ある意味で 「売り物」 になる 「本物」 の商品を作る姿勢が大事なのである。
 同社が保持する特許は、 海外を含め約1,200件。 建設省 (中部技術事務所) と高性能中空型枠パネル (建設発生廃木材や街路樹剪定による廃木材と再生プラスチックとを複合したもので何度でも再生可能) を、 また日本道路公団とは木質遮音板や高速道路用自動車衝撃吸収ブロック (時速100キロメートルでの激突実験でもほとんど無傷) を共同開発するなど、 行政からも高い評価を受けている。 確かな技術力を背景に、 再生品でありながらバージン品を超える性能を持つ商品をつくりだす同社に、 内外から熱い視線が注がれている。

<会社概要>
アイン・エンジニアリング株式会社
アイン株式会社 総合研究所
代表者:代表取締役 西堀貞夫
設 立:1975年
資本金:1千万円
所在地: (本社) 東京都品川区西五反田1-32-2
TEL:03-3490-1861
FAX:03-3490-4412
E-mail:ein@mb.infoweb.ne.jp
  (研究所) 岐阜県本巣郡穂積町生津天王東2-25
TEL:058-327-9931
FAX:058-327-9156
E-mail:einlab@mb.infoweb.ne.jp




情報誌「岐阜を考える」2000年
岐阜県産業経済研究センター


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